キューバという国をここまで詳しく知ることになるとは、思っていませんでした。

5月末にキューバに行くまでの私の中でのキューバのイメージは・・・
ーアメリカと国交を持たない、カリブの島国
ー革命の国(カストロやチェ・ゲバラ)
ー砂糖きびとラム酒と葉巻
ーサルサや音楽の国(ブエナビスタソシアルクラブ?)
ー行ってみたい!!
・・・程度のものでしたから・・・。

今回の旅は" 友好・交流の旅”ということで、色々な施設を見学に行ったり、革命ゆかりの地を訪れたり、政府関係の方とお話する場があったり・・・と、少し深くキューバを知ることになりました。帰国してすでに2ヶ月近くも経とうとしているのに、私の中でのキューバへの思いは消えることがなく、ちょっと大げさですが、毎日キューバのことを考えている・・・といった様な状況です。

あまりに書きたいことがありすぎて、なかなか文章に出来ずにいたのですが(すでに私から熱く語られた人は多数いますね・笑)、そろそろタイムリミットかな?とも思えるので、頑張ってアップしてみます。
文章を短くまとめるのが苦手なもので(多分ツイッター、苦手なんだろうなあ〜)長文になる可能性大、です。ご注意下さいませ。
さて、何から語ろうかな?と思ったけれど、訪れたところとそこで感じたことを順に追ってみることにしました。まずここは「老人レクリエーションセンター」といわれる、お年寄りたちの寄り合い施設です。ここでは日本からの皆さんとの交流が行われました。

↑ハッピを着て歓迎してくれているおじさんもいます。女性も男性も小綺麗でお洒落です。
施設紹介のスピーチでは、司会の女性から「この人はこんな大会で賞を取った○○さんです!」「女性の○○さんは先日老人のための大学で○○の学位を取りました!!」という紹介がどんどんと続きます。
歓迎の意味を込めて、歌で賞を取った88歳のおじいさんがアカペラで数曲、他の歌の名手の80代のおじいさんも数曲・・・感情の籠ったライブの歌は驚くほど上手で人の心に染み入ります。カストロが1959年に実現した革命以降、社会主義を実現しているキューバでは、こういった国営の施設が地域ごとに沢山あるのだそうです。

↑革命の英雄の一人であるアルゼンチン人の”チェ・ゲバラ”(手前)も、その前に革命の土台を作ったと言われる革命の父”ホセ・マルティ”(奥)も恭しく・・・でも気軽に壁に掲げられています。
革命後、教育、医療、農業の普及に力を注いだカストロは、自分の銅像は一切作っていない・・・というころは、他の社会主義国家とかなり違うところでしょうか。
お陰でキューバでは教育、医療は一切無料。アメリカの経済封鎖のために物資は少なく娯楽も少ない国なのですが、キューバはとっても安全で、人々の表情に疑いの陰りというものがなく、みな実に幸せそうな国なのです。
病気の心配をせず、子供にもきちんとした教育を与えることが出来れば、多少物資が少なくても、娯楽が少なくても、歌を歌って、お互いを讃え合って、日々を楽しく過ごすことが出来るのでしょうか。
いたわり合うお年寄りの姿の自然さと暖かさと生き生きとした様子が印象的だった老人レクリエーション施設訪問でした。
次の訪問地は有機農場。実はキューバは有機農業大国だった、ってご存知でしたか?

ここは日系人の方の経営する農場なのですが、地元で生産し地元で消費するため大規模ではないけれど、沢山の種類の植物が植えられています。肥料は国が管理する有機栽培の研究センターで作られているのだそうです。キューバの大きな産業の一つに”バイオテクノロジー”があるのも頷けます。
もちろんミミズも土作りのために使われているそうですが、ミミズの作った土は本当に良い土で貴重なので、主に種を植える時の小さく区切られたポット用に使われるのだとか。
もちろん農薬は使わず、自然の材料を使った各種虫除けが使われていて、この畑の手前にもNimの木という虫除けの木が植えられたりもしていました。

↑農場で働く女性。後ろにはまたまた革命の英雄”チェ・ゲバラ”・・・かと思ったら、あれ?若かりし頃の”カストロさん”かな?似てますね、この2人。
キューバの人って「カメラを向けるとかならず笑顔を向けてくれる」・・・・と何かの本に書いてあったのですが、まさにその通り!でした。勤務中とは思えないこの余裕の笑顔、素敵♪
そして、この農場で頂いた有機野菜たっぷりの昼食がたまらなく美味しくて、一同感激!
革命前は野菜を食べる習慣がなかったキューバという国が、政府の方針で野菜を作って食べるようになった・・・というのもすごいことだな〜と感動してしまいます。そういう国民への健康管理・・って、さすが予防医学を勧めるキューバならではです。
医療の話が出てきましたが、次の訪問地は2カ所の医療施設でした。
革命以降のキューバの医療レベルは本当に高く、他の国々への医師、医療派遣も盛んで、外国からの留学生も受け入れている・・・ということは、マイケル・ムーア監督の『シッコ』という映画で触れられていたので、少しは知っていましたが、実際詳しい説明を受けて、そのレベルの高さとシステムの素晴らしさにびっくり!

最初の医療施設は”ポリクリニコ”と呼ばれる全国に444ある医療施設です。

この444カ所あるポリクリニコの上にはさらに高度な医療を必要とする病院が267カ所あり、ポリクリニコの下には”ファミリードクター”と呼ばれる地域・学校・職場の病院が14600ヶ所もあるそうです。
医師の数は68000人で、住民約150人あたり1人の医師が居る計算になります。看護士は100人に一人、医療従事者全体の数は56万人、その69%が女性なのだそうです。
さらにキューバ国外でも23413人の医療専門家や技術者が66カ国で人道的な使命を果たしているのは、キューバの医療レベルの高さを証明しているとも言えるでしょう。
キューバでの1959年の革命時点で
60歳だった平均寿命は2009年では
78歳に。
1000人中60人もの数だった乳児死亡率は、
4.7人にまで減少したのも、目覚ましい医療の発展を物語っています。
ポリクリニコで説明を受けた後は、近くのファミリードクターを訪問。↓

小さなオフィスに地域の患者さん一人一人のカルテが並んでいます。アメリカからの経済封鎖を受けているキューバらしく、紙類が不足していてカルテもとても質素。しかし、このファミリードクターの住民への健康管理は徹底していて、ファミリードクターの使命はキューバ政府が最も力を入れている”予防医学”にある、とここのドクターも熱く語っていらっしゃいました。
実際、乳児死亡率の劇的な減少も”予防医学”の賜物。4.7 人という数字は日本と同じ位なのだそうですが、国の経済力がここまで違うのに、お金を使わずにこの数字を実現出来る・・・というのはすごいことですよね。
では、実際に予防医学って何をやっているのか?というと、ファミリードクターには地域の全ての人のカルテがあり、その人の病歴や健康状態を常にチェックしているのだそうです。さらには、家に訪問するシステムもあり、注意が必要な人や妊婦さんには色々なアドバイスを直接したり、健康診断を促したりもするのだそうです。例えば子宮がん検診は3年に1回行われていて、もちろん全ての医療費は無料なので、検診も無料です。予防医学の教育は学校でも行われていて、テレビでも常に流されているとも聞きました。
どうしても聞いてみたいことがあった私は、帰り際に近くにいらした女性ドクターに「チェ・ゲバラはキューバのお医者さん方に今も大きな影響を与えていますか?」と聞いてみたところ、すかさず「もちろんです!」との答えが。予想していた答えではあったけれど、その声の力強さと目の輝きは本物で、とっても嬉しくなりました。
チェ・ゲバラが学生時代に友人とバイクで南米を周り、その国々の貧しい人の惨状を見て医師を目指したことは、映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』を観ると良く分かるので、ご存知の方も多いかと思います。その彼の意思がキューバ革命という歴史的出来事を介してキューバという国に今も息づいている・・・という事実は、どんな映画よりも感動的な事実。
事実・・・といえば、アメリカの経済封鎖のすごさを目の当たりにして、その現実にも驚きを覚えました。
アメリカ政府が行っている経済封鎖によるキューバの経済封鎖は、
ーアメリカへのキューバ製品輸入・個人的持ち込みも禁止
ーアメリカ人はキューバへ入ってはいけない
ー外国人もアメリカ経由でキューバへ入ってはいけない
・・・から始まり、
ーキューバ産のニッケルを使った鉄製品はアメリカに輸入してはいけない(この理由で日本の自動車会社はキューバ産ニッケルを輸入しないのだそうです)
ーキューバの港に入った船は6ヶ月以内にアメリカに入ってはいけない
・・・といった理不尽なものやら、
ーキューバ政府がワクチンを買っていた北欧のバイオ産業の会社がアメリカに買収されて輸入禁止に
ーキューバ政府が投資信託をしていたスイスの投資信託会社がアメリカに買収されて取引禁止に
・・・といった完全にイジメの様なものまで・・・。
いくら革命後にキューバで利権を得ていたアメリカの企業が全て国外撤去になったからといって、アメリカが敵対視していた共産主義の国になったから・・・といって。ここまでするか?という数々の大国のイジメは目に余るものがありますよね。
国連でもアメリカのキューバへの経済封鎖に反対している国がほとんどで(アメリカ、イスラエル、パラオ以外)世界的に見ても絶対におかしいはずなのに・・・。
私には政治的イデオロギーみたいなものはないのですが、カストロ氏の「アメリカには抵抗するけれど、アメリカ国民は嫌いではない」という大人な姿勢には感銘を受けてしまいます。彼のような指導者がいるからこそ、キューバという国の人々が幸せなのかもしれませんね。
「貧しいけれど、必要な時には飛んで行くというのが革命の姿勢だ」・・と言っていたカストロ氏。オリバーストーン監督の『コマンダンテ』というドキュメンタリー映画の中で「あなたは独裁者ではないのですか?」と聞かれた時、「私は国民の奴隷だけれど、自分自身の独裁者だ」と返した言葉が
とっても印象的でした。

ホテルに飾ってあったカストロ氏の肖像画↑と沢山の写真↓

カストロ氏は国民に宗教の自由も与えています。
日本人の私たちが得ていた情報は、アメリカから入って来たものばかりだったんだな〜・・・と、納得。キューバについて、少し理解することが出来てよかった・・・とも思いました。
・・・・・と、予想通り熱く語りすぎて、やはり観光スポットの紹介に辿り着けませんでしたね。
まだまだ語りたいことも写真も沢山あるのですが・・・・今日はこの辺りで終了。
次回のブログで、キューバの観光スポットや南国の花などを紹介出来ることを自分に期待しつつ・・・(いつでしょ?!)
最後に、キューバとキューバ革命をもっと知りたい方へのおすすめ映画リストを作ってみました。
どれも街のビデオ屋さんでレンタル出来るものばかりだと思います。
ー『モーターサイクル・ダイアリーズ』
ー『チェ&カストロ』
ー『コマンダンテ』
ー『チェ〜28歳の革命〜』『チェ〜37歳別れの手紙〜』
ー『チェ・ゲバラ〜革命と戦いの日々』
ー『チェ・ゲバラ〜世界一有名なポートレイト」
ー『シッコ』
ー『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』
ー『サルサ』
ごめんなさい、説明したらまた熱く語ってしまって寝られなくなりそうなので、説明省きまーす。
(興味がある方、是非ネットで検索してみて下さいね。)
どれも面白いけれど、やはり全部観るのがおすすめです。はまりますよ〜♪
遅ればせながらのキューバ報告(第一弾)でした。