リスボンのカンポ・グランデのバスターミナルからバスに揺られて約1時間10分、”谷間の真珠”と呼ばれる人口800人のかわいい村オビドスに到着します。
時はさかのぼって1282年、こここオビドスを訪れすっかり魅了されてしまったイザベル王妃に、ディニス王が村をプレゼントしたのだそうです。それ以来1834年まで、この村は代々の王妃の直轄地となり、現在でも中世の面影をとどめているのだ・・とか。王様のやることはすごい!
村の中、とってもかわいらしいので、ちょっと一緒にお散歩してみませんか?
村の南側にあるメインゲートともいえる門、ポルタ・ダ・ヴィラの中でレースを売っていたおばあちゃん。どうもここの管理人さんらしいです。とっても素敵な手編みのレースのついたリネンのクロスを記念にひとついただきました。
この門を入って、メインストリートを行くと、かわいいお土産やさんが並ぶメインストリートがあります。陶器を売っているお店が多く、またもやキョロキョロ・・・・。
←これはコインブラという中部の街の近くのコニンブリカという遺跡のモチーフを図柄にしている”コニンブリガ焼き”。動物のモチーフがキャラっぽくて、何度も目にするうちにとってもかわいく思えてきます。細かい模様なので、絵付け作業は大変でしょうけれど、のびのびとしたタッチがポルトガルらしいのです。
陶器のお店で母へのお土産を買っていたら、お店のお姉さんが「このお店の奥に工房があって、今日は日曜日だからやっていないけれど、いつも女性の絵付け師が1人で絵を描いているのよ。明日は空いているから、良かったら見に来てもいいわよ。」と言って下さいました。嬉しい!「是非是非!見せて下さ~い!」
・・・というわけで、翌日の午前中におじゃますると、彼女は絵付けの最中でした。まさに伝統的技法の手書きアズレージョ(マヨリカ焼きも同じです)。ポルトガル語では”ビードロ”と呼ばれる釉薬に浸した陶器に、やはり粉を水で溶かした釉薬で絵付けしていきます。慣れた手つきで絵付けをする彼女。
焼くとガラス質になるので”ビードロ”かあ・・・なるほど!!・・・と変なところで感動していると、突然携帯電話が鳴り何か話した後、エプロンをはずしてお店の人と談笑して出て行ってしまいました。むむむ?急用・・・って感じでもなかったのですが・・・ま、いっか。
そんなゆるーい感じがいい感じのオビドスです。
お店に並ぶ作品はほとんどが彼女の手描きのもので、作り手のぬくもりが伝わる作品ばかり。陶器って、その手作り感がほっとするのかもしれません。
実はその後リスボンでも、工房を見学させていただく機会があったのですが、そこはもっと大きな工房で、でも手作りの行程は一緒。ただし大きな作品やタイルなども作っているので職人さんも沢山。絵付けをする職人さんも沢山いましたが、下絵を描くだけ職人さんや、下絵に点々の穴をあけるだけの職人さん・・・なども!巨大な窯も何台もあって、そのための職人さんたちも・・・。こうやって沢山の職人さんに守られているからこそ、伝統技法でのタイルがいまだに身近に存在しているのですね。大きな工房でも小さな工房でも、職人さんは宝・・・なのでしょう。
VIVA職人さん!
さて、メインストリートを突き当たりまで行き、右の坂をちょっとだけのぼっていくとオビドスのポウザーダ、”Pousada do Castelo"(ポウザーダ・ド・カステロ)があります。↓ポウザーダとはお城や修道院などを改修して造ったホテルのこと。
↑左・ポウザーダの中庭。このポウザーダは15世紀のお城を改装して造ったのだそうです。小さなお城なので9室しかお部屋はないそうですが、2階には素敵なレストランがあって、ここは宿泊客じゃなくてもお食事が出来ます。
さて、お食事でお腹が一杯になったら、城壁の上を歩きましょうか?
「え?城壁の上?」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、ここオビドスはローマ時代に起源を持つ城塞の街で、今でも村をぐるりと城壁が囲んでいるのです。全部は繋がっていないのですが、かなりの距離が歩けます。
でも道幅はそんなに広くないし、内側はもちろん柵などないので、結構スリル満点。
↑頑張って歩くと、こんな景色もみられます。さすが”谷間の真珠”と呼ばれるだけのことはあるなあ~という大パノラマです。
リスボンからも近いせいか、昼間は大型バスが次から次へと観光客を運んできますが、オビドスにはポウザーダ以外にも宿が沢山あるので、ここに一泊すれば、朝夕の静かなオビドスも楽しむことが出来ますよ。
・・・・と、まだまだお伝えしたい、素敵なポルトガルが沢山あるのですが、そろそろタイムアップ!あさっての早朝からの仕事にそなえて、明日(今日?)は実家にスプーモを預けにいって、そのまま成田空港に前泊です。
今回の目的地は、またまた”中国”。渦中のデスティネーションですが、行き先は
雲南省。雲南省は99年に世界園芸博覧会のお仕事で行って以来の9年ぶり。中国の一番南側に位置する省です。「雲のはるか南にある土地」という意味をもつ名前からも、中国の人にとっても長く秘境の地であったと思われる土地で、少数民族も多く住む土地でもあります。昆明の他にもかねてから行ってみたかった少数民族ナシ族が多く住む麗江(れいこう)やペー族が多い大理(だいり)などの町もあり。今回はその2つの町にも行くツアーだし、チベットにも近い地域なので、また”チベットの神様にでも呼ばれたかな”・・・と思いつつ・・・、行ってまいりま~す。
最後にちょっとぼやきになりますが、”中国”・・・というと、拒絶反応をする人が多いのは残念なこと。中国政府のやり方や、日本のマスコミの報道にも問題はあると思いますが、イメージだけで中国人を語る人が多いのはちょっと悲しい事実です。
私も仕事で知り合った人がほとんどなので、多くは知りませんが、中国の国民って愛国心がありそうで、「実は中国政府なんて信用してない!」っていう面白い人が沢山いますからね。「上に政策あれば、下に対策あり・・・」なんてことわざがある位ですから、政治の問題と個人的な人間の考えは実はもっと違っていて、とっても聡明で寛大で人間的なおおらかさや強さや優しさに溢れている中国人の人って沢山いるような気がします。
いずれにしても、一言で語るのは難しい国。
でも、日本が古来からずっとお手本にしてきた、偉大な文化や歴史を持った国でもあるのですよね。
今日も列車の事故があったみたいですが、なにが起こるかわからない・・・のも中国ならでは。でも、それもこれもやっぱり”運”かな。
そういえば、去年のゴールデンウィークも少数民族の村々を巡っていたような・・・。
あんながけ崩れの悪路の山道の中を生還できたのだから、今回もきっと大丈夫♪
5月6日に戻ります。
みなさん、よいゴールデンウィークを!!